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(34)オニノヤガラ(ラン科)

 冷夏で長雨が続いた年は、北毛青少年自然の家の林縁ややぶ陰に、オニノヤガラがにょきにょき生えてきます。ヌスビトノアシの別名があるように、転々として住所不定、神出鬼没の奇妙な植物です。姿形もきてれつで、いきなり1mをこえる黄褐色の矢が大地に突き刺さった感じです。「神の矢柄」とか「鬼の矢柄」と名づけた昔の人の驚きがわかります。矢羽根部分の花も黄褐色、葉も目につかないほど小さな褐色の鱗片葉。これは花や葉っぱの常識からはほど遠い、腐生植物なのです。
 腐生植物は、葉緑素を持たず、生活するための栄養分などをすべて地中の菌類からもらっているのです。オニノヤガラの場合は、この辺りではナラブサと呼ぶナラタケの菌糸から養分をもらって生活しています。腐生植物としては、ほかにもギンリョウソウを見かけますが、こちらも銀竜草、幽霊茸、水晶蘭と呼ばれるように、透きとおるほどの白さがちょっと無気味です。